東京都町田市南町田2丁目2番7号
親知らず(おやしらず)とは、大臼歯(大人の奥歯)の中で最も後ろに位置する歯であり、第三大臼歯が正式な名称で、智歯(ちし)とも呼ばれています。親知らずは中切歯(最前方の前歯)から数えて8番目にあり、永久歯(大人の歯)の中で最後に発育します。
永久歯は通常15歳前後で生え揃いますが、親知らずが生える時期は個人差が大きく、10代後半から20代前半であり、親に知られることなく生えてくる歯であることがその名前の由来だとも言われています。
親知らずは、生えてくる場合はほとんど痛みがありません。ただし隣の歯に当たるように傾斜して生えてきたり、対合歯と突き破っている歯茎が当たってしまっていると痛みを伴い、症状に対しての治療が必要となります。 諸説ありますが前歯の並びをずらしてしまう可能性があります。
親知らずは歯肉に部分的に被ったままになることにより不潔になりやすく、歯肉の炎症を起こしやすい状態となってしまいます。これを智歯周囲炎(ちししゅういえん)と呼び、20歳前後の人に発生する頻度の高い疾患です。智歯周囲炎が周囲の軟組織や顎骨(がっこつ:あごの骨)に広がると顔が腫れたり、口が開きにくくなったりすることがあります。
この智歯周囲炎になった場合は、抗菌薬(化膿どめ)や消炎鎮痛薬(痛み止め)の投与、さらにはうがい薬などを併用して炎症を鎮めた後、歯肉弁切除(被った歯肉を切除)を行い、様子を見るといった場合もあります。
しかし、親知らずの生える方向が悪かったり、炎症をくり返しているような場合は、抜歯することが適当と考えられます。
・腫れ
・痛み
・頭痛・肩こり
ほとんどの場合は必要であれば当院で抜歯させていただきます。 ただし骨の中の大きな神経や血管に親知らずがからんでいる場合や大きな手術が必要となる場合は病院施設へ紹介する場合もあるのでご了承ください。
親知らずと一口にいっても、実はさまざまな生え方があります。
たとえば真っすぐに生えている親知らずならば、問題が深刻化することはあまりないので、一般歯科で治療を受けてもかまわないケースがほとんどです。かといって、口腔外科での治療はNGというわけでもなく、どちらでもかまいません。
親知らずは、斜めまたは横向きに生えてくることもあります。そうなると、親知らずの前の歯が炎症を起こしてしまうこともあり、治療は非常に難しくなってきます。多くの場合、親知らずを抜くことになるので、抜歯経験が豊富な口腔外科を選ぶことをおすすめします。
そうはいっても、親知らずは外から見ているだけではどう生えてくるかわからず、レントゲン写真を撮って初めて発覚することもあります。まずは、相談をして場合によっては口腔外科を紹介してもらう、というのもひとつの方法ではあります。
1. 親知らず自体あるいは手前の歯もむし歯になってしまった
親知らずは一番奥の歯なので治療器具が届きにくく、その後の手入れも困難です。また、治療ができたとしても再びむし歯になる可能性があり、親知らずがむし歯になったらあえて治療をせずに抜いてしまった方がよい場合があります。
また、手前の第二大臼歯もむし歯になってしまった場合は、すみやかに親知らずを抜いて第二大臼歯のむし歯を処置する必要があります。長期にわたって放置すると第二大臼歯までも悪くなりすぎて抜くことになる恐れもあります。
2. 横向きに埋まっていて前方の歯に障害を及ぼしている
親知らずが横向きに埋まっていると智歯周囲炎や手前の第二大臼歯の吸収(歯の根が溶かされるように浸食されること)を引き起こすので、親知らずを抜くことが多いです。しかし、手前の第二大臼歯の吸収が進みすぎると注意が必要です。
3. いつも食べ物がつまる、歯肉の腫れ、痛みを繰り返している
親知らずが中途半端に生えていて、歯の一部だけが見えている場合は食べ物が詰まりやすく、不潔となり周囲の歯肉に炎症を起こしやすくなっているため、腫れや痛みを繰り返します。
4. 骨の中に完全に埋まっているが、エックス写真で袋のような影がみられる
このような状態の病気を嚢胞と言い、病気の発育によりあごの中の神経を圧迫したり、膿の袋を作り、患部に痛みや腫れを生じます。
1. 親知らずが上下できちんと生え、かみ合っている
親知らずが顎に直立して生え、お互いにかんでいる場合。
2. 顎の骨の中に完全に埋まっていて問題が無い
親知らずが顎の骨の中に完全に埋まっている状態です。この親知らずは周りの歯や骨に悪い影響を与えることはないと考えられ、痛みや腫れなどの症状がなければ直ちに抜く必要はありません。
3. 入れ歯やブリッジの土台として親知らずが必要
ある程度真直ぐ生えている親知らずは、前方にある第一大臼歯や第二大臼歯をなくした場合でも、削ってブリッジの土台に使ったり、入れ歯のバネをかけることができるため、残しておいた方が良いことがあります。
4. 親知らずを移植する
親知らずより手前にある大臼歯などを抜かなければならなくなった場合、その部位に親知らずを移植し、再びかめる状態にできることがあります。ただし、移植の可否は移植する部位と親知らずの形や大きさ、患者さん自身の状態などを考慮し慎重に判断する必要があります。
5. 矯正治療で親知らずを正しい位置に動かすことができる
親知らずの生える方向が悪くても矯正治療によりきちんとかめるように治すことができます。矯正治療は歯を動かす治療ですがどのような状況でも可能とは限りません。矯正治療で治せるかどうかは歯科医師に相談することをお勧めします。
親知らずと一口にいっても、人によってさまざまな生え方がありますし、治療法やリスクも多種多様です。満足のいく施術を受けるためにも、親知らずの治療をするときは、そういった問題をしっかりと説明してくれる歯医者さんに、お願いしましょう。
また、CTがあるかないかも歯医者さん選びのポイントと言えます。必要に応じていざというときにCT撮影ができるかできないかは重要な選択肢の一つと考えます。
問診にて全身疾患の既往を確認し、X線撮影を行ないます。口腔内診察とX線写真をもとに抜歯の方法を決めさせていただきます。
※ 必要あればCT撮影も行います。
1、歯肉切開
2、骨開削
3、歯牙分割
4、歯牙および歯嚢摘出
5、肉芽掻爬
6、歯槽骨整形
7、止血縫合
親知らずの抜歯後は腫れてしまうことが少なくありません。特に下顎は腫れやすいとされています。抜歯後の注意事項や、処方薬の内服を適切に行ない術後は安静にすることが重要です。
大きく腫れても大概は問題ないですが、呼吸がしづらい感じや口腔内に溜まるような出血があれば病院へ連絡が必要となる場合もあります。